フランダースの犬は負け犬の物語?!~日本人と西洋人の文化的相違
『これを見て泣かないやつは人間じゃない!』
と言われる【3H】があります。
- フランダースの犬
- アルプスの少女ハイジ
- 母をたずねて三千里
感動するアニメランキングの特番では、
必ず上位に位置する名作アニメです。
ところが、
日本人なら誰もが泣く「フランダースの犬」は、
外国人(特に欧米人)が見ても、全く感動せず、
それどころか、
ネロは負け犬だと思われるそうです。
フランダースの犬に感動する日本人の方が特殊?
実をいうと、
自分もフランダースの犬を見て泣いたことがありません。
第1話から通して見たことがないので、
ストーリーがよくわからないのに、
最終回のラストだけ見ても・・・ねぇ。
とは言っても、
泣ける話なんだろうなぁというのは、
あらすじを読めば想像できます。
事実、これまでは、感動巨編だと思っていました。
しかし、たまたま読んだ本に、
外国人は、フランダースの犬を全く評価していないと書いてあって
驚きました。
その本は右に載せてある、『続・世界の日本人ジョーク集』です。
自分は、
こういう外国人と日本人の考え方の違いに関する本が好きでよく読むのですが、
その中に書いてありました。
びっくりして、検索してみると、
結構これに関する記事がアップされていました。
欧米人がフランダースの犬を評価しない4つの理由
調べた結果をまとめてみると、
大きく、4つの理由で西洋人の感覚では理解できないみたいです。
1.ベルギー人の反感
そもそも、フランダースの犬は、
舞台こそベルギーですが、原作者はイギリス人。
そのせいか、
本場ベルギーでも、いまいち知名度がない作品です。
さらに、その内容に関して、
「ベルギー人は、空腹の子どもを一人で死なせるような残酷なことはしない」
とご立腹のご様子。
出典:www.a-dog-of-flanders.org
確かに、舞台を日本にした作品が発表されたら、
日本人も同じことを言うでしょうね。
今、こんな話を世に出したら、
人権擁護団体からクレームが来ること請け合いですね。
そんなわけで、
ベルギーの、フランダースの犬関連観光地ではしゃぐのは、
日本人観光客ぐらいなものだそうです。
ノートルダム大聖堂の広場に記念碑があり、
アントワープ郊外にあるホーボーケンに、
ネロとパトラッシュの像が立っていますが、
記念写真を撮るのは日本人だけで、
その他の国の人々は無関心とのことです。
2.欧米人はハッピーエンドを好む
これは、お国柄と言えるんでしょうが、
欧米人はハッピーエンドを好む傾向があります。
ハリウッド映画を見てもわかるように、
サクセスストーリーやシンデレラストーリーがほとんど。
自分も知らなかったのですが、
フランダースの犬は、すでにハリウッドで映画化されていました。
ところが、
そのラストはハッピーエンドに書き換えられていて、
ネロは名乗り出てきた父親と再開し、
パトラッシュともども聖堂で死なないそうな。
こんなフランダースの犬は見たくない・・・。
3.欧米では、ネロは負け犬
ネロは、最後に住むところも食べるものも無くなって、
ルーベンスの絵の前で天に召されますが、
欧米人には、
ネロは、画家になる夢をかなえることができずに終わってしまった、
人生の敗北者に見えるようです。
この辺りは、
結果より過程を重視する日本人と、
過程より結果を重視する西洋人の思想的背景の違いが出ています。
しかしながら、
近年、日本の精神は世界で注目されていて、
「サムライ」「武士道」「禅」のことを質問してくる外国人は多いです。
残念ながら、当の日本人の方は、
こういう古来からの精神から離れて行ってる気がしますが。
4.欧米人は、子どもを早く自立させる
教育の観点でも、日本人と欧米人の相違が見られます。
原作ではネロは15歳の設定です(アニメ版では10歳に引き下げられました)。
欧米では、15歳にもなれば、
もう一人前の大人として扱われます。
自分の道は自分で切り開くのを良しとする欧米だと、
不幸に翻弄されたとはいえ、自立できないまま亡くなったネロは、
人生に敗れたと思われるんでしょうかね?
まぁ、大きな子供ばかりの日本とは、真逆ですな(笑)。
いろいろ挙げましたが、やはり、
世界の中では、日本人の方が特殊な感性を持っていると、
思われていると思います。
だからこそ、外国人観光客は日本独特の雰囲気を楽しみにして、
来日してくるんです。
彼らに満足してもらうためにも、
聞きたいであろう、日本の伝統を学んでいきたいと思います。