『未完のファシズム』『散るぞ悲しき栗林忠道』~戦争を考える良著
武田鉄矢さんの今朝の三枚下ろしで、
取りあげられていた本を読みました。
折しも、参院選間近。
憲法改正、第9条をどうするかが争点になっている
(自民は争点化を避けているかな?)ので、
国の防衛と戦争を考えるのにいい機会だと思います。
そこで、武田鉄矢さんがおろしていた本を読んでみました。
自分の世代は、
日本史の教科書にも大正から昭和初期の記述が少なかった時代だと思います。
最近になって、近代史の重要性を説く人が増えてきた気がしますね。
おかげで、恥ずかしながら戦争のことをよく知りませんでした。
戦争体験者が高齢化する中、
事実が語られる機会もどんどん減っていくでしょう。
近隣諸国との関係も緊張する中、
平和を考えるなら、
戦争について考えることが必須です。
憲法9条改正を考える前に、
戦争がどういうものかについて知っておくことが大切だと思います。
その意味で、以下の2冊は読んでおくべき良著です。
憲法9条を考えるなら読んでおくべき2冊
未完のファシズム「持たざる国」日本の運命(新潮選書)』片山杜秀
→Amazonのレビュー
大東亜戦争末期、
なぜ日本軍は玉砕戦法を選んだのかを解き明かしています。
精神論好きの日本人には、
耳が痛いかもしれません。
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道(新潮文庫)
→Amazonレビュー
クリント・イーストウッドが監督した映画『硫黄島からの手紙』
を見て感動した人は胸にグッとくる一冊です。
戦争の最前線の悲惨さと、
祖国を思って命を散らした方たちのことを忘れてはいけないと
再認識させてくれます。
『未完のファシズム』が指導部サイドとすれば、
『散るぞ悲しき』は現場サイドのお話です。
戦争で真っ先に犠牲になるのは、前線の若者。
憲法を改正して海外で戦闘活動をできるようにすることを
主張しているところは、
現場で亡くなる人たちのことを考えているのだろうかと
首をかしげてしまいます。
9条改正を考えることは、
日米同盟と安保、沖縄の基地問題、自衛のための戦力など、
国防の根幹を問うことです。
「自分の手で武器を取って戦うか否か」。
最終的には、そこまでの事態も想定した上で、
国のあり方を問う問題です。
自分が高校生の頃、湾岸戦争でミサイルが飛び交っている映像を見て、
「ゲームのようだ」と語ったコメンテーターがいましたが、
いざ、有事の際に我が身に降りかかるのは、ゲームではなく現実です。
自民党が勝利したら、日米同盟の名目で海外での武力行使が現実化するでしょう。
参院選に当たっては、
日本の将来像を見据えて投票先を選びましょう。
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