あなたの財産が目減りするのは憲法違反だと思わない?

日本国憲法の問題点を考える

前回は、憲法があって無きが如しになっていることを述べた。
今回は、あなたの資産が目減りすることは憲法違反だということについて述べてみる。

個人資産に国家が介入して起きたバブル崩壊

これまでの記事で、
憲法が、国家権力に対しての命令であることは理解してもらえたと思う。

というわけで、

第29条

財産権は、これを侵してはならない。

国はこの条文を守る義務がある。

ところが、現実はどうだろうか?
バブル崩壊の際、地価は下がり、株価も下がった。

バブルの崩壊は、1990年(平成2年)に当時の大蔵省銀行局長が、
金融機関に「総量規制」の通達を出したことが引き金になった。

つまり、土地に流れ込むお金を規制しようと、土地投資に対する融資を止めろと口出しした。
言い換えるなら、いち公務員が個人の資産に干渉しようとしたと言えるのだ。

それ以降、国家のせいで、
20年近く国民が保有する資産の価値が下がるという
財産権の侵害が続いているのに、それに声を上げる国民は少ない。

渡部昇一教授は、

こんなことをアメリカで実行に移そうと言えば殺されます。
「持っている家や土地などの財産価値を半分にするぞ」などと発言する政治家がいればかならず殺されます〔国民には〕殺す権利がある。
【『討論「所得税一律革命」』光文社刊.加藤寛との共著】

と発言している。

アベノミクスとTPP

アベノミクスで円安になり、株価は上向いている。
資産価値が上がることはいいことだ。

しかし、その恩恵を受けられるのは、資産を持っている人に限られる。
長きに渡る不況で資産を形成できていない人にとっては、何の恩恵もない。

このまま景気が良くなってくれればいいのだろうが、
可処分所得が増えないまま、インフレになってしまうと、
生活費が増加して、庶民の生活は苦しくなるばかりだ。

戦後最長の好景気と言われた「いざなみ景気」(2002年2月から2007年10月までの69ヶ月間)があったが、
景気の良さを実感した人が、はたしてどれほどいただろうか?

潤ったのは、労働者に還元せず、内部留保を増やした大企業だけだったような気がする。

また同じ轍を踏まぬよう、今後を注視する必要があるが、
基本的に日本政府は大企業寄りだ。

TPPで、農業を差し出して、
大票田と大献金が見込まれる輸出工業を取ったことでもわかるだろう。

古来から農耕を営んできた国が農耕を捨てたとしたら・・・
この国の未来はどうなってしまうのだろう。

選挙のことしか考えていない政治家と既得権益を守ることしか考えていない官僚から
自分の身と財産を守る手段として、憲法の精神を復活させる必要がある。

次回→憲法は守るものではなく活かすもの

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ